Knoll Textiles, 1945–2010 — Irma Boom / Heté Selection
¥19,800 ($125.92)
布の本なのに、布に触れることはできない。
布を型押ししたような装丁をめくり
ページにあるのは、あくまで印刷された色と写真。
毛羽立ちも、織り目の凹凸も、糸の硬さもない。
それでもページをめくっていると、不思議と「素材」を見ている感覚が残る。
『Knoll Textiles, 1945–2010』は、Knollの65年にわたるテキスタイルデザインを辿った一冊。
家具や建築の陰に隠れがちな「布」から、戦後のモダンデザインを見直していく。
収録されているのは、完成したテキスタイルだけではない。
図案、ドローイング、家具、資料、そして約80名のデザイナーたち。
色、織り、パターンが、家具や空間とどのように関係してきたのか。その積み重ねが400ページにわたって収められている。
そして、この本を設計したのがIrma Boom。
面白いのは、布の質感を印刷で「本物らしく」見せることだけを目指していないこと。
むしろ、布を紙へ置き換えたとき、何が残るのか。
色の重なり。
パターンの反復。
図版と図版の距離。
ページをめくった瞬間に現れる、次の色。
一枚のテキスタイルを眺めるというより、本そのものが巨大なスウォッチブックのように進んでいく。
Knollと聞けば、椅子やテーブルを思い浮かべる人も多い。
けれど、椅子を覆う張地も、窓辺のカーテンも、空間を仕切る布もまた、モダニズムの風景をつくってきた。
家具が空間の「形」をつくるものだとすれば、
テキスタイルは、その形に色と触覚を与えるものだったのかもしれない。
そしてIrma Boomは、その「触れられるデザイン」の歴史を、もう一度「紙」という触れられる物体へ移している。
布には触れられない。
それでも、紙をめくることでしか見えてこないものがある。
モダニズムを、家具ではなく、
その表面から読む。
65年分の色と織りと手触りを、
「本」というもうひとつの素材に置き換えた一冊です。
2012年AAM(全米博物館協会)博物館出版物デザインコンペティション、
展覧会カタログ部門にて最優秀賞受賞。
2012年サンフランシスコ・ブックフェスティバル賞、写真・アート部門にて佳作受賞。
2011年、デザイン・オブザーバー、AIGA、デザイナーズ&ブックス共催の50Books/50Coversブックデザイン・コンペティションにて優勝。
【新書・シュリンク品】
Editor: Earl Martin
Book Design: Irma Boom
Publisher: Yale University Press
Publication: 2011
Pages: 400
Size: 約 W216 × H267 mm
Language: English
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