ATLANTIS : BERNHARD HOETGER
¥8,850 ($56.75)
フランスの建築家・写真家であるローラン&エマニュエル・ボードワン夫妻が、自ら現地を訪れて撮影した写真集。ドイツ表現主義を代表する彫刻家・建築家ベルンハルト・ヘートガー(1874–1949)の建築を、建設当時の記録写真と2022年撮影の現在の姿とを通して辿ります。
舞台はブレーメンのBöttcherstraße(ベットヒャー通り)と、芸術家村として知られるWorpswede(ヴォルプスヴェーデ)。彫刻家から建築へと領域を広げたヘートガーは、レンガ、彫刻、レリーフ、曲面、色彩、光を組み合わせ、建築と美術の境界を曖昧にするような独自の空間をつくり上げました。その代表作が、Paula Modersohn-Becker Haus(1926–1927)と、本書のタイトルにもなったHaus Atlantis(1929–1931)。なかでも表紙を飾るHimmelssaal(天空の間)は、青と白のガラスブロックによるドーム状の天井から光が降り注ぎ、建物の中にいながら空や宇宙を見上げているような感覚に包まれる、この建築を象徴する空間です。
一方でHaus Atlantisは、美しい造形だけでは語れない複雑な背景も抱えています。「アトランティス」を北方民族の起源と結びつける当時の思想がその構想に深く関わり、ヘートガー自身も1930年代にナチズムへ接近しながら、その作品はナチ体制から批判されるという矛盾した歴史を辿りました。
本書は、そんな建築を完成当時の姿だけで終わらせません。古い記録写真と2022年撮影の現在の姿を行き来しながらBöttcherstraßeとWorpswedeを追う構成を通して、失われたもの、残されたもの、修復されたもの——約100年という時間が建築に刻んだ表情が、ページをめくるたびに立ち上がってきます。
サイズだけを見ると小ぶりな一冊で、価格に割高感を覚えられるかもしれません。ですが日本国内での取り扱いはほとんどなく、フランスから直接取り寄せた貴重な一冊です。気になっていた方は、この機会にぜひ。
無断転載禁止
本コンテンツの無断転載・転用・複製は固く禁じております。
判型:W145mm × H210mm × D13mm
ソフトカバー
137ページ






























